任意後見制度は自己の判断能力が低下していない間に、将来判断能力が低下した場合に備えて、財産管理や介護サービスに関する代理権を第三者に授与しておく制度です。日本は高齢化社会であり、誰でも認知症になる可能性があります。認知症になれば病院に行って診療契約を締結したり、不動産を管理したりすることが困難になってしまいます。任意後見制度はこのような事態に対処するために創設された制度です。任意後見契約を締結するには、公正証書を作成しなければなりません。本人の意思決定を重視する必要があり、契約内容が法的に有効なものになっている必要があるため、法的素養を有する公証人が作成する公正証書によらなければならないとされています。公証人は事前に本人と面談して意思能力が十分備わっているか否かを判断することになります。本人に契約を締結することができるか能力が十分備わっているか否かは、関係者の供述、医師の診断書等を考慮して慎重に判断することになります。仮に能力が衰えており、契約を締結することができないと判断した場合には、任意後見制度ではなく、成年後見、保佐、補助等の法定後見制度を活用することになります。このように、法定後見制度と任意後見制度は相互に補完し合っているともいえます。