高齢化が急速に進む日本では、認知症や痴呆症などの症状を持った人たちが数多くいます。私たちが日常の生活を送っていくにはさまざまな場面でその状況に応じた判断を迫られることになりますが、認知症や痴呆症を持った人の場合、その場の状況に合わせた的確な判断というものは非常に困難な行為となります。その結果として他人とのコミュニケーションが上手に取れなかったり、悪質な業者にだまされて高額な商品を購入してしまうなどの不利益を被りかねません。そのため、そのような人たちを保護する目的として成年後見人制度が始められることになったのです。
成年後見人制度は二種類のものがありますが、現時点で本人の判断能力が失われていない人の場合、『任意後見人制度』を使うことになります。この場合、本人の判断能力が失われる前にあらかじめ信頼できる人物と後見契約を締結します。その際には自分の判断能力が失われてしまったときに老後生活、療養看護や財産管理に関する事務などの代理権を後見人に付与するという契約を公正証書で締結しておく必要があります。代理権の付与に関してはその権利の及ぶ範囲は特に決まりごとはなく、本人と後見人となる人の間で話し合って決めていくことになります。